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ヘンデルのリコーダーソナタとの出会い

 6月になりました。22日はヘンデルのリコーダーソナタのコンサート。おかげさまでたくさんのお客様に聞いていただけそうで、とてもワクワクしています!コンサートをより楽しんでいただけるように、ヘンデルさまとの思い出を書いてみますね!

 

 私がヘンデルのリコーダーソナタに初めて出会ったのは高校二年生の時です。小学校で地域のリコーダー合奏団に参加してから、リコーダーが大好きになったのですが、合奏団は入って2年もたたないうちに消滅。高校からは音楽の授業でもリコーダーは取り上げられず、どこかにリコーダーを吹けるところはないかな~、と、2年生になったときに帰り道にあった音楽教室にとことこ出かけて、「リコーダーの先生はいますか?」と聞きました。いなかったのですが,主宰のピアノの先生が知り合いを探して、私のために呼んできてくれました。

 

 現れたのは坊主頭で黒いコートを着た個性的な男の先生。ちりめんビブラートがかかった音をいい音、と信じていた私を「なんか勘違いしてるんだよね~」と言いながらも、優しくレッスンしてくれました。その時に初めて、リコーダーが古い楽器であることを聞き、渡されたのが、ヘンデルのヘ長調のソナタの4楽章。高校生なのでとりあえず指は回ります。でもちっとも楽しいと思わなかったし、ノンビブラートでふうっと吹く先生の音もちっともいいと思わなかった。なんか地味だな~、と思いながら吹いていました。

 

 イメージを変えなくては、と思ったかどうかは知りませんが、そのうち先生は私にレコードを渡して、「これを聞きなさい」と言うようになりました。あまり興味が持てなかったので「聞きました」と言って返すと、それを疑ったのか、また違うレコードを持ってきて「聞きなさい」と言うのです。また「聞きました」と言って返すと、また、違うレコードを。さすがに悪いと思って聞いてみたら、これがなかなか気に入りました。フランス・バロックのトリオのレコードでした。

 

 それをきっかけにその後も次々に渡してくれるレコードをちゃんと聞くようになり、音楽に目覚める決定的瞬間を迎えることになるのですが、話をヘンデルに戻すと、次の出会いはその約1年半後。大学の入試の課題曲がヘンデルのソナタト短調でした。

 

 ご存知の通り、ヘンデルのリコーダーソナタは譜面を見ると、そんなに難しそうではないのです。音を並ばせるだけなら、初級の方でもできます。遅い音楽の目覚めに焦りを感じていた高校3年生の私は、猛烈に練習しよう!とメラメラ燃えていたのですが、そんなメラメラもヘンデルのリコーダーソナタのどこにそのエネルギーを注入してよいかわからず、途方に暮れたのを覚えています。(続く)

 

ヘンデルのリコーダーソナタ~リコーダーのスタンダードナンバーVol.3

6月22日(木)19時開演

鶴見区民文化センターサルビアホール音楽ホール

 

チケット好評発売中。詳細はコンサートページへ。

 

昼公演(14時30分開演)は残席僅少につき、お早めにお求めください。