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ヘンデルのリコーダーソナタの楽譜その二

 歌は世につれ、と言うけれど、楽器演奏もまた同様で、ヘンデルの時代には楽器の演奏というのはとても人気のある娯楽でした。そのため多くの器楽作品の楽譜が求められました。ヘンデルのリコーダーソナタが載っている当時出版された楽譜は、アムステルダムのロジェ版(1730年)と、ロンドンのウォルシュ版(1732年)と二種類ありますが、実は両方ともロンドンのウォルシュが出版したものです。偽ロジェ版はヘンデルの許可なく出版した海賊版だったため、アムステルダムの出版業者の名をかたった、というわけです。その二年後に「より正確な版」としてウォルシュは新たな版を出しています。ただ、どちらもヘンデルの自筆譜をもとに作成されたわけではないことが、両者に同じ間違いがたくさんあることからわかっています。

 

 注目すべきは当時のロンドンに、他社の名をかたってまで出版し、また「正確な版」とまでして再出版するほどの状況があった、ということですね。そんなに楽譜が求められた、楽器を演奏する人がたくさんいた、ということです。

 

 最近、「楽器が売れない」と、楽器屋さんから聞きました。コロナになってから特にひどいけれどコロナ前からその傾向があったそうです。習い事の選択肢が増えて、ピアノを習う子供も減っているそうです。

 

 リコーダーは…どうなのかしらね?私の実感では減っている感じはせず、むしろ増えているような気がします。

人生100年時代。そうだ、リコーダーがあるじゃないか~!と思って始めました、という方に最近出会って、以来このフレーズが気に入っています。リコーダーは合奏も楽しいですがヘンデルのリコーダーソナタのような素敵な古い作品もたくさんあります。ペトルッチ楽譜ライブラリーIMSLP ではそういう作品が無料で入手できます。膨大すぎてどれを見ればわからない人は、拙ブログにリコーダー作品ばかりリンクを貼ってあるページ「ペトルッチの楽譜」があるので、参考になさってください。

 

 さて、ヘンデルのリコーダーソナタのコンサート、いよいよ明後日になりました!昼の部は完売しておりますが2,3席当日券が出る予定です。また、夜の部はまだお席ございますので、ぜひこの機会に大人気の作曲家、ヘンデルのリコーダーソナタをお聞きください。お問い合わせ

 

 写真は今朝撮ったクイーンエリザベスさまです♪