テレマンの「新しい四重奏曲集」、通称「パリカルテット」を初めて聞いたのは大学3年生の時。同じ古楽器科のアンサンブルの授業で先輩や同級生が演奏していました。その時、なんていい曲!いつかやりたい!と思ってウン十年。
昨日のエスポワールクヮルテットの初コンサートでようやく夢がかないました。
パリカルはフラウト・トラヴェルソ、バロックヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバ(またはチェロ)、チェンバロという編成。当時リコーダー専攻でトラヴェルソは副科で有田正広先生についてはいたものの、卒業後はほぼ楽器に触れる機会はなく、パリカルなんて来世の夢…だったのですが、コロナ禍が起き、できた時間で一念発起。後輩でもある素晴らしいトラヴェルソ奏者、菅きよみさんにレッスンを受けることにしました。
リコーダーとトラヴェルソの決定的な違いはアンブシュア(口の形)です。菅きよみさんのアンブシュアのレッスンはそれまで私がいろいろなトラヴェルソ奏者から教わることのできなかった内容で、素晴らしかったのです。ちょうどその頃、所属しているスーパーリコーダーカルテットの委嘱作品で必要になったBeat Boxing(唇、舌などを使ったボディパーカッション)のテクニックが唇の使い方の幅を広げる結果にもなり、もしかしてトラヴェルソの二刀流イケるんじゃない?パリカルやってみちゃう?と、発表会でも何度もお願いしているヴィオラ・ダ・ガンバ奏者、堀あゆみさん、同級生のヴァイオリン奏者、本多洋子さん、先輩のチェンバロ奏者、古賀裕子さんに、本番なしの勉強会やらない?と声をかけたところ、いいよ~、そういうのやりたかったの~!と快諾してくれて集まったのがちょうど2年前の秋でした。
それからほぼ毎月一回のペースで勉強会…時には江の島散策やらランチ会、海岸散歩…を重ねてコンサートの日を迎えました!会場には満席のお客様!本番楽しかった~!
とはいえ、リコーダーとトラヴェルソ両方のメイン奏者を務めるのが初めての私は緊張でがちがちに。トラヴェルソ吹くときは前川清のように直立、リコーダーを持つと別人のように生き生きとしていた、というご感想も多数。
もうこれは場数の問題なので、仕方ありませんね。改めて絶対に音が出るリコーダーという楽器の良さを再確認しました。
グループ名の「エスポワールクヮルテット」は、音楽に希望の種を持ち続けようと、相談して決めた名前です。思いもかけないことが起きて、気持ちが沈む日々にも、やりたい曲、憧れの音…があればそれが希望(エスポワール)の光になりますね。
コンサート楽しかった~!改めて一緒に演奏してくれる仲間、コンサートを手伝ってくださる方々、そしてご来場くださった皆様にお礼申し上げます。
ありがとうございました!
(写真はヴィオラ・ダ・ガンバの堀あゆみさんが作ったステンドグラスのランプ。いただいた花束と一緒にロビーに飾りました。)
コメントをお書きください